スペシャルインタビュー

安全・安心な魅力あるまちづくりに取り組む仙台市宮城野区

「仙台」駅東口がある仙台市宮城野区西部地区では新都心としての整備が進められている。周辺地域には閑静な住宅街が広がり、豊かな自然が多く残されているのも特徴だ。JR線、仙台市営地下鉄東西線などの交通網の発達もあり、居住地としても人気で賑わいを見せている。宮城野区役所内にある「まちづくり推進課」は、地域課題の解決に資する事業の企画・調整及び推進を行っている。大きく変貌を遂げる「仙台」駅東口や宮城野区各地域で、現地のまちづくりに深く関わる重要なセクションだ。地域振興係の熊谷和典さんと庄子勉さんに話を伺い、宮城野区の魅力や街の姿について語っていただいた。

歴史や自然、利便性など多様な魅力を併せ持ち、若年層にも人気の街

仙台市宮城野区 まちづくり推進課
仙台市宮城野区 まちづくり推進課

――宮城野区の魅力について教えて下さい。

熊谷さん:宮城野区は仙台市の北東部に位置しており、面積が58.19平方メートルのコンパクトな区です。区の西側の新しい都心として整備の進む「仙台」駅東地区から、東側は国際拠点港湾である「仙台塩釜港」にかけて広がる地域で、そのほか、比較的早い時期に開発された住宅地が広がる鶴ヶ谷地区や、豊かな田園が広がる岩切地区など、各地域が固有の歴史を継承しつつ、多様な表情を併せ持っています。また、宮城野区は、仙台市にある5区の中で一番出生率が高く若年層が住む割合が多いのも特徴です。区画整理された「仙台」駅東地区では、「宮城野通」を中心に新しい街並みが形成され、「東北楽天ゴールデンイーグルス」の本拠地「Koboパーク宮城」や「仙台アンパンマンこどもミュージアム」、桜の名所として仙台市民に親しまれている「榴岡公園」があるなど、宮城野区の活気と子育て環境の良さを象徴する地区になっています。宮城野区は街として都市化が進んでいる一方で、自然豊かな環境が多く残されており、JR仙石線や東北線、仙台市地下鉄東西線などの交通網が発達しているため、若い世代が多く居住を希望することにつながっています。

プロ野球「東北楽天ゴールデンイーグルス」のホームスタジアム「Koboパーク宮城」
プロ野球「東北楽天ゴールデンイーグルス」のホームスタジアム「Koboパーク宮城」

街を知り、好きになるきっかけをつくる「地元学」

――宮城野区で行われている市民のまちづくり活動や、子育て世代に向けた取り組みはありますか?

熊谷さん:宮城野区独自の先駆的な活動として取り上げられるものに「地元学」があります。「自分のまちや地域をもっと知り、愛着を持とう」という趣旨の下、宮城野区の各地域の歴史やかつてあった暮らしを市民が主体になってまとめ冊子にしたもので、仙台市が政令指定都市になり宮城野区ができた1989(平成元)年の翌年の1990(平成2)年に始まりました。各地区をそれぞれ掘り下げていくと深い歴史の痕跡や地域資源が残されていたり、面白いことが分かったりととても興味深い発見があります。2011(平成23)年3月に起こった「東日本大震災」後は、津波の被害により災害危険区域となった沿岸部の中野地区、岡田地区を取り上げています。現在は、地域の歴史や生活文化の発信に取り組む様々な団体との活動と交流を促進する「地域メディアネットワーク」事業を立ち上げて、「地元学」の取り組みをさらに発展させるべく取り組んでいます。昔はこういう街並みだった、こんな歴史があったと街のことを知ることで、より街を好きになるきっかけになると思います。

庄子さん:宮城野区は「地元学」発祥の地として今では仙台市の他の区や全国にもこの活動が波及しているんですよ。

「地元学」のパンフレット
「地元学」のパンフレット

熊谷さん:子育て世代に向けた取り組みとしては、区内の活動団体で組織する「みやぎの区民協議会」が実施している「地域はっぴぃ子育てプロジェクト」があります。宮城野区は出生率が高く子育て世代の転入者も多いため、生活環境の変化や周囲に知り合いがいないなどの状況に陥る方も少なくありません。「地域はっぴぃ子育てプロジェクト」は、そうした育児不安や地域で孤立した育児の解消につながるよう、子育てを支える市民グループ・団体・区役所が協力し、保護者が子どもと一緒に成長し、子育ての楽しさを実感できる機会の提供と地域でのつながりを深めるために活動しています。
「地域はっぴぃ子育てプロジェクト」の活動実績は様々ですが、その中の一つ「ママらいふ手帳」についてご紹介します。「ママらいふ手帳」は、子育て中のお母さんの為の子育て支援情報を包括した手帳で、宮城野区役所が新生児の訪問の際に各ご家庭にお渡ししています。カレンダーや時間の使い方、親子遊びや一時預かり情報、相談機関情報などが網羅されていてとても便利だと思います。みなさんからも大変好評を頂いています。手帳のデザインは、仙台市にある「東北生活文化大学高等学校」の皆さんに協力をして頂きました。「ママらいふ手帳」には、子育て中のお母さんがご自分のことを楽しくたくさん書き込むことができる作りになっています。忙しい子育ての毎日も「ママらいふ手帳」をご活用頂いて、毎日楽しく過ごしていただけたら幸いです。

子育て支援情報を包括した「ママらいふ手帳」
子育て支援情報を包括した「ママらいふ手帳」

スポーツが街の賑わいを生み出す

――宮城野区にはプロ野球のホームスタジアムなどスポーツ施設が充実していますが、これらの資源を使ったまちづくり活動や取り組みはありますか?

熊谷さん:仙台市にはプロ野球では「東北楽天ゴールデンイーグルス」、プロサッカーでは「ベガルタ仙台」、プロバスケットボールでは「仙台89ers」がありまして、プロスポーツが大変盛んな街です。プロスポーツは街の活力を生み出す重要な資源であり、官民一体となってその資源を生かしたまちづくりに取り組んでいます。宮城野区にある「東北楽天ゴールデンイーグルス」の本拠地「Koboパーク宮城」には、全国から多くの方が訪れることもあり、市のプロモーションや賑わい創出に大きな役割を担っています。2017(平成29)年4月には、「仙台」駅東口から「Koboパーク宮城」までの「宮城野通」にある21箇所のマンホールに「東北楽天ゴールデンイーグルス」のデザインマンホールが導入されました。その中には近隣の小学校の小学生がデザインしたマンホールもあり、“ご当地マンホール”を見に県外からお越しになる方もいるなど、地域の賑わいの創出や魅力作りに生かされています。“ご当地マンホール”を見に県外からお越しになる方も多いですね。

庄子さん:「東北楽天ゴールデンイーグルス」のおかげで球場に足を運んでくださる方が大変多くなり、街が大変賑わっています。球団があることは、元気が出るまちづくりに大きく寄与していると思います。

「東北楽天ゴールデンイーグルス」のデザインマンホール
「東北楽天ゴールデンイーグルス」のデザインマンホール

――「仙台」駅東口エリアの開発が進んでいますね。

熊谷さん:はい。「仙台」駅の東西自由通路が拡張されたほか、仙台東口ビルのオープン、ギャラリー併設の「東北福祉大学」のキャンパスがオープンなど、東口に人がどんどん流れる動きが生まれています。今後も新しいホテルやビルの建設も予定されるなど、さらに街としてのポテンシャルが高まり、より多くの人の動きが見込まれています。仙台市営地下鉄東西線「宮城野通」駅も開通し、東西に向けた交通の利便性も向上しています。今後「仙台」駅東口は商業などの都市機能と、居住地域としての機能がうまく同居した、さらに快適な地域になっていくと思います。周辺には、市民の憩いの場になっている「榴岡公園」など近隣には豊かな自然環境がありますし、今年鎮座350年を迎える「榴ケ岡天満宮」をはじめご利益のある神社やお寺も多いので、歴史と文化を身近に感じることができます。そのような魅力が周辺地区に波及して、街の形成が進んでいくことを期待しています。

「榴岡公園」の枝垂桜
「榴岡公園」の枝垂桜

震災から学び、減災とコミュニティ強化に向けた取り組み

――今後のまちづくりのビジョンについて教えてください。

熊谷さん:2011(平成23)年3月の「東日本大震災」では、宮城野区で震度6強を記録するなど、区内の各地域で大きな被害が発生しました。特に沿岸部では津波による被害を受け、多くの方が犠牲になりました。このような災害を経験して宮城野区で取り組んでいるのは、安心・安全な魅力あるまちづくりです。災害時には地域のコミュニティが機能したことにより、新たに多くの絆が生まれ復興への道が開けました。そのため、宮城野区では区内全域において、地域コミュニティのさらなる強化や維持に向けた各種施策、減災に向けたさらなる取り組みを進めています。また、沿岸部の蒲生北部地区では区画整理事業も進めており、民間のお力もお借りしながら、多くの人々が集い、活気溢れる地域になるような取り組みも進めています。そのような中、「仙台」駅東口は宮城野区の“顔”になりますので、「仙台」駅東口の活力を宮城野区の各地域に波及できるようなまちづくりも進めたいと思います。宮城野区が持つ歴史や自然などの地域資源を継承しつつ、様々な世代の人々に宮城野区の良さを知って頂いて、世代間が広く交流する元気な宮城野区をつくっていきたいと思います。

新設された在来線用の東口改札
新設された在来線用の東口改札

――最後に、宮城野区に居住を検討されている方にメッセージをお願いします。

庄子さん:私たちまちづくり推進課を英語表記すると「Local Community Planning Section」になります。震災後はみんなで協力して街を再建しようという絆が生まれたり、お母さんたちが協力しあって積極的に活動したりするなど、区民の皆様のコミュニティがより強化されていると感じます。このようなコミュニティのパワーの源は人の力、住環境の良さや快適さから来るものだと思います。今後も宮城野区役所まちづくり推進課では、皆様と一緒になって「Local Community Planning Section」のとおり地域づくりをプランニング、お手伝いさせて頂けたらと思います。宮城野区は住むのも買い物にもスポーツ観戦にも便利で快適な街です。ぜひお越しください。

熊谷さん:私は宮城野区民ですが、実際に住んでみて交通の便が良く自然が豊かで住みやすい街だなあと思います。休日の「榴岡公園」は、のんびりとできて気持ちが落ち着くので、私が大好きな場所の一つですね。私は仕事柄、区民の皆さんと接する機会が多いのですが、みなさんが街をより良くしようと一生懸命な姿を見ることが多く、頭が下がる思いです。宮城野区は、地域の絆が強く住民のコミュニティがしっかりとしており、何かあったら手を差し伸べてくれるような雰囲気がありますので、新しく転入される方も住みやすい街ではないでしょうか。都会の便利さと地域の快適さを感じることができる宮城野区は素晴らしい街です。ぜひお立ち寄りください。

仙台市宮城野区 街づくり推進課
仙台市宮城野区 街づくり推進課

仙台市宮城野区 まちづくり推進課

(左)熊谷和典さん、(右)庄子勉さん
所在地:宮城県仙台市宮城野区五輪2-12-35
電話番号:022-291-2111
開庁時間:8:30~17:00
休庁日:土・日曜日、祝日、12月29日~1月3日
URL:http://www.city.sendai.jp/miyaginoku/
※この情報は2017(平成29)年5月時点のものです。