スペシャルインタビュー 

仙台中心部で150年、街の歴史と活気を学びに活かす「仙台市立東二番丁小学校」

1873(明治6)年に、仙台市内に「二番小学校」として開校した「仙台市立東二番丁小学校」。その歴史は、明治維新後の新しい時代をともに歩んできたとも言える。「仙台」駅から西へ約500メートル、周辺は仙台中心部を代表する商業施設や商店街があり、「仙台青葉まつり」、「仙台七夕まつり」、「仙台一番町三社まつり」など一年を通じて活気と賑わいを感じられるロケーションだ。

来年には創立150周年を控える同校を訪ね、菅澤和広校長先生に、学校の歴史や、教育の取り組み、地域との関わりなどについてお話を伺った。

明治時代から仙台の歴史と共に歩んできた小学校

お話を伺った「仙台市立東二番丁小学校」菅澤和広校長先生
お話を伺った「仙台市立東二番丁小学校」菅澤和広校長先生

――まずは、「東二番丁小学校」の今日までの歩みについてお聞かせください。

菅澤校長先生:本校は、1873(明治6)年に「二番小学校」として創立され、2023(令和5)年度に150周年を迎えます。“二番”というのは同年に開校した仙台市内の小学校で、本校の位置が第二小学区にあったためです。それだけの歴史があるゆえに、本校を視察された方の記録のなかには明治維新の立役者・岩倉具視の名もあります。

本校に代々に渡って通われているご家庭もあって、地域の方々も本校に愛着を持って接してくださいます。現在の児童数は175名、特別支援学級2、通級指導教室2を含めた全11学級となっています。

1873(明治6)年の「二番小学校」の資料
1873(明治6)年の「二番小学校」の資料

大切に保護し育てられたクスノキは、地域のシンボル

――校舎・設備の特徴などがありましたら教えていただけますか。

菅澤校長先生仙台市旧市街の中心部に位置し、本校と同じ建物に、「仙台市青葉区中央市民センター」、「東二番丁マイスクール児童館」、「東二番丁幼稚園」の4施設が入っています。それぞれ管理が異なっており、建物の作りも誰もが気軽に行き来できるというわけではありませんが、一つの特徴と言えると思います。

校舎と校庭
校舎と校庭

菅澤校長先生:それと本校について語るとき、校木のクスノキについて言及しないわけにはいきません。太平洋戦争中、甚大な被害を被った仙台空襲がありましたが、そのとき焼けてしまった初代のクスノキから芽吹いた若葉を苗木とし、それを大切に育てたものが現在のクスノキです。

仙台市の保存樹木にも指定されており、校舎の設計にあたっては、クスノキが傷まないようにすることが大前提でした。クスノキを中心に校舎が設計されたと申し上げても、決して言い過ぎではないと思います。常緑樹であるクスノキは、季節に関係なく枝葉から何かが落ちてくるので掃除が欠かせないなど手間はかかりますが、本校だけでなくこの地域の方にとっても象徴的な存在であり、シンボルツリーとなっています。

仙台空襲から蘇り、大切に護られてきたクスノキ
仙台空襲から蘇り、大切に護られてきたクスノキ

仙台藩藩校「養賢堂」に由来する「養賢学習」

――「東二番丁小学校」の教育目標や、特徴的な取り組みなどを教えてください。

菅澤校長先生本校は『豊かな心 確かな学力 健やかな体を育み 志を抱いて新しい時代を開く児童の育成に努める』の教育目標の下、「教科等を貫く言語活動の充実による確かな学力の育成」「思いやりの心を育て,一人一人のよさを引き出す教育の推進」「学校・家庭・地域との連携強化と学校課題の共有」に取り組んでいます。

学習面では、仙台藩の藩校である「養賢堂(ようけんどう)」、そして一時は「養賢小学校」としていた本校の校名に由来する、「養賢学習」という取り組みが特徴的な活動のひとつに挙げられると思います。これは15分間の朝学習に行っているドリル学習のことで、基礎学力の定着を目指し、前学年の復習も含めて児童それぞれの進度に応じて進めていきます。

百周年を記念して贈呈を受けた「養賢」の文字の額
百周年を記念して贈呈を受けた「養賢」の文字の額

現在は、導入したばかりのデジタルドリルを使って新しい養賢学習をつくれないかと模索しているところです。伝統をそのまま受け継ぐのではなく、時代に合わせて形を変えながら発展させることが大切です。変化を恐れず、教職員の創意と工夫で少しでもよい教育を展開できるようにしていきたいと考えています。

――「東二番丁小学校」の児童たちの学校での様子や印象はいかがですか?

菅澤校長先生:本校に着任して気づいたのは、立ち止まって挨拶する子どもが多いということでした。すれ違いざまではなく、しっかり立ち止まった上での挨拶です。それだけで、「おはようございます」「こんにちは」「さようなら」がより心のこもったものに聞こえて感動しますね。

校木を校舎から一望できる「クスノキ通り」にて
校木を校舎から一望できる「クスノキ通り」にて

地元のお祭りにも参加、地域に根ざした教育活動

――地域行事への参加をふくめ、地域との連携について教えてください。

菅澤校長先生:地域に根ざした教育活動ということで、コロナ禍以前は「一番町三社まつり」や「三瀧不動尊奉納夏まつり」に本校児童のお囃子クラブが参加するなど、地域の祭りには全面的に協力していました。

最も大きなイベントとしては「仙台七夕まつり」ですね。開催会場が学区内ということもあり、本校でも吹き流しを作り、マーブルロードおおまち商店街で飾っていただいています。子どもと保護者で作っていくのですが、上級生が下級生の教え役に回るなど小規模校ならではの学年を超えた交流などの良さもあります。吹き流しに使用する紙を提供してくれる方も本校の卒業生で、ありとあらゆる面で地域の助けをいただいています。

ホール「光の広場」内に飾られた「仙台七夕まつり」の吹き流し
ホール「光の広場」内に飾られた「仙台七夕まつり」の吹き流し

――都心に位置する「東二番丁小学校」ですが、そのメリットや周辺環境についての印象を聞かせてください。

菅澤校長先生:新幹線の停車駅「仙台」駅が学区内にあることもあり、修学旅行で東京に行った小学校は、市内で本校だけでした。近くには「芭蕉の辻(江戸時代に仙台城の城下町の中心であった十字路)」があり、江戸時代から交通の要衝であったこともわかります。

そのような典型的な都心の要素を含んだ一画にありながら、本校から歩いて行ける身近なところに広瀬川や青葉山があり、自然も身近に感じられます。県外の方がイメージされる仙台を凝縮したような場所と言ってもいいかもしれませんね。

仙台の中心部に建つ「東二番丁小学校」
仙台の中心部に建つ「東二番丁小学校」

仙台中心部で150年、街の歴史と活気を学びに活かす「仙台市立東二番丁小学校」
仙台中心部で150年、街の歴史と活気を学びに活かす「仙台市立東二番丁小学校」

■仙台市立東二番丁小学校

菅澤 和広校長先生
所在地:宮城県仙台市青葉区一番町2-1-4
電話番号:022-222-6279
URL:https://www.sendai-c.ed.jp/~nibancho/
※この情報は2022(令和4)年9月時点のものです。