風景の一部になっている北目町の老舗餅店

仙台の歴史と共に歩む。明治創業のづんだ餅の名店「村上屋餅店」に聞くこの街の魅力。

仙台を代表する名物「づんだ餅」を求め、遥々遠方から足を運ぶ方も多い「村上屋餅店」。世代をまたいで通う方も、初めて訪れた方も、店を出るときは皆等しく、良い表情になっている。藩政時代に起源があるという同店を訪ね、歴史、名物「づんだ餅」、店舗を構えている北目町の地域についてお話を伺った。

五橋通り沿いにある老舗「村上屋餅店」
五橋通り沿いにある老舗「村上屋餅店」

1877(明治10)年創業から今日までの歩みと、受け継がれるそのこだわり

――さっそくですが、創業から現在までの歩みを聞かせてください。

村上さん:村上屋餅店」としての歴史は1877(明治10)年からですが、菓子店だった時代を含めると江戸時代にまで遡ります。仙台伊達家の御用菓子司だった村上孫左衛門を初代とし、二代目・孫三郎は江戸で修業した後、国分町で店を出しています。三代目・直蔵の代から新伝馬町(現・中央2丁目)で米と餅を商うようになり、これが「村上屋餅店」としての始まりです。

1915(大正4)年、次の忠兵衛の代に南町通りへと移転するも、その4年後には仙台大火で罹災。それを機に一番町(通称・大日横丁)に移転することになり、さらにここ北目町へと移ってきたのは1982(昭和57)年3月のことです。

「村上屋餅店」の4代目である村上康雄さん
「村上屋餅店」の4代目である村上康雄さん

――名物「づんだ餅」のこだわり・特徴を教えていただけますか?

村上さん:づんだでも何でも、結局は餅を美味しく食べるためのものに過ぎず、やはり主役は餅。“餅は餅屋”という言葉もありますが、餅屋がつくる餅は違うねと多くの方に言っていただいています。当然ながら餅だけに力を注いでも美味しい「づんだ餅」にはなりません。

豆の薄皮を残したままだと色味も悪くなり、傷みやすくなります。手間は掛かりますが、薄皮を取ることで日持ちさせるための砂糖を使わずに済み、結果として豆の風味が損なわれない仕上がりになります。餡についても自家製で、小豆に加えるのは砂糖と塩だけ。原材料はとてもシンプルなものなんです。

クリーミーで優しい味わいが人気。名物の「づんだ餅」
クリーミーで優しい味わいが人気。名物の「づんだ餅」

地元の年中行事から観光客まで。新しい試みにも取り組みながら、基本は”目の前の仕事を一生懸命”。

――どのようなお客様がいらっしゃいますか?

村上さん:時期によって違いますね。観光シーズンには観光客が増えますし、雛まつりの桜餅をはじめ、年中行事には地元の方や一般企業、神社からも依頼をいただきます。正月などは夜中まで餅を丸めています。形や包装についての要望は様々ですが、できる範囲で応えています。

一昔前は、市内に40軒以上の餅屋があったのですが、今では暖簾を掲げているのはその半分ほど。9時までにつくってほしいと頼まれたら、そこから逆算して起きなくてはならず、その大変さからなかなか跡継ぎがいないそうです。

――ここまで長く続けてこられたことについてどのようにお考えですか?

村上さん:味を落とさず、お客さんを裏切らないというのを心がけてきたことが大きいのではと思います。原価計算はあえてしないようにし、他店舗展開の考えもありません。目の前の仕事を一生懸命にこなしながら、美味しいと思ってもらえるものをつくっています。

私が子どものときは、「づんだ餅」を食べるのは6月~9月と決まっていました。今では冷蔵・冷凍技術の進化によって一年中食べられるようになりました。影響のない工程では機械を使うなど、新旧のいいところを織り交ぜています。「づんだ餅」以外では、イチゴの収穫時にだけ販売する「いちごミルク」も人気です。これも時代に合わせた商品と言えると思います。

変わらぬ味も提供しつつ、時代の変化にも合わせていく
変わらぬ味も提供しつつ、時代の変化にも合わせていく

青葉区北目町の住みやすさや魅力とは?

――青葉区北目町の特徴や魅力について教えてください。

村上さん:最近ではマンションが増え、新しく移り住まれた方が増えています。通りを挟んだところにスーパーマーケットができたのも、そうした背景があるからでしょう。“マンションが増えた”という結果から逆説的に考えると、マンションが増えるだけの理由があったということになりますね。この辺りが人気なのは、「仙台」が近いにも関わらず住環境が整っているからでしょう。
「東北大学」、「東北学院大学」や、「仙台中央郵便局」、「仙台中央警察署」などがバランスよく点在する一方で、騒がしいようなところはありませんからね。

仙台中央郵便局
仙台中央郵便局

――最後になりますが、北目町に住むことを検討されている方に向け、メッセージをお願いします!

村上さん:「五橋」駅が近く、さらに「仙台」駅にも歩いていけます。街の中心部が生活圏ですから、買い物にしても外食にしても大変便利な場所だと思いますよ。また、八木山まで行けば広大な自然と触れ合うことができますし、文教地区ならではの落ち着きも、生活するには向いていると思いますよ。

利便性と落ち着きのバランスがよい街
利便性と落ち着きのバランスがよい街

村上さん
村上さん

インタビューにお答えいただいた方

村上屋餅店 四代目 村上康雄さん
所在地:宮城県仙台市青葉区北目町2-38
電話番号:022-222-6687
※この情報は2020(令和2)年7月時点のものです。